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こんにちは、院長の若山です。
ご自宅のわんちゃん・ねこちゃんが異物を飲み込んでしまった経験はありませんか?
動物が人の社会で生活するとき、動物にとって興味を引くものがたくさんあります。
動物はひとのこどもと同じように、興味を示したものを口にくわえときに誤って飲み込んでしまいます。
とくに食欲・好奇心旺盛な子ほど起きやすく、繰り返す子も少なくありません。
これらの行動は動物にとっては当たり前の行動のため、言い聞かせることは困難です。
対策はとにかく動物の口や手の届く場所に飲み込むとよくないものを置かないことが大切です。
異物誤食は食べたものや問題が起こる場所によって問題の重大さや対処法が変わります。
たとえば、食道にものが詰まってしまった場合は食べた直後に苦しくなります。
反対に、異物誤食後とくに症状が出ず数日経過して腸に詰まり嘔吐などの症状が出る場合もあります。
ビニールやプラスチックなど消化できない異物は胃の中でしばらく悪さをせず留まることもあるのです。
数ヶ月前に食べたゴムボールが検診のときに胃の中で見つかった、なんてこともあります。
異物誤食直後には症状が出ない場合の方が多く食べた翌日に病院に来られる飼い主さまも見えますが、
異物誤食は早めの対処が必要な場合が多いのでまず病院にご連絡ください。
対処法は以下のものから異物によって最適なものを選びます。
①催吐処置:薬を使って嘔吐させます
胃の中にある異物が対象でこの処置のみで解決する場合もある。
腸に流れると嘔吐させることはできないので早めの対処が大切です。
(食べてから時間が経過すればするほど腸へ流れていってしまう可能性が高くなります。)
ただし、串など尖ったものを食べた場合にはおすすめできません。
②内視鏡(胃カメラ):内視鏡を挿入し口〜食道〜胃内異物を見つけて取り除きます
処置には麻酔が必要ですが、外科手術ではないのでダメージはありません。
長い入院の必要もありません。
残念ながら腸には内視鏡を挿入することはできないので腸管内異物の摘出はできません。
また、大きさや形状によっては摘出できない、他の食べ物に埋まって見つけられないこともあるなど内視鏡で解決できない場合もあります。
③手術による摘出
①、②とも不可能な場合の最終手段です。直接胃や腸を開いて異物を摘出します。
もっとも確実ですが、麻酔や外科手術によるダメージは動物にとって負担となります。
また年齢や症状によってはリスクが高くなります。術後も数日入院が必要となります。
異物誤食には早めの対処が肝心ですが、一番大切なことは未然に防ぐことです。
異物誤食をさせないしつけは難しく、誤食をする子は再度誤食をする可能性が高いです。
再発予防のためにひとが動物に異物誤食が起きないように環境を整えてあげてください。
若山純也