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動物病院の血液検査 ②赤血球について
2016年06月6日
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こんにちは、院長の若山です。

前回は血液検査の概要について書きましたが、

今回からは血液検査の検査項目について説明していきます。

まずは「赤血球」についての説明です。

 

《赤血球とは?》

赤血球は血液中の血液細胞の一種であり、酸素や二酸化炭素とくっつく性質を持っています。

すべての動物において酸素は生きていくためのエネルギーを作るために必要となります。

呼吸により肺から取り込んだ酸素は赤血球とくっつき、血液の流れによって全身に酸素が供給されていきます。

そしてエネルギーを作った酸素は二酸化炭素となり赤血球とくっついて呼吸によって肺から外に放出されます。

この酸素と二酸化炭素の運搬が赤血球の役割であり、赤血球は動物が生きるために必要不可欠なものなのです。

 

《赤血球が関わる問題》

赤血球の減少=貧血

もし貧血が起こると、全身へ酸素を運ぶ量が減ってしまいます。

軽度の貧血であれば大きな症状はありませんが、進行によって体調不良やふらつきなどの症状が現れます。

重度の貧血では全身性の酸素欠乏となり、生命が維持できず死んでしまう場合もあります。

原因の例)大量の出血、造血障害、免疫介在性溶血性貧血、腫瘍疾患など

 

赤血球の増加=多血

赤血球増加の原因は脱水による場合が多いです。

肝臓や腎臓病など基礎の病気に伴う脱水や、特に最近は暑さによる熱中症なども注意が必要です。

多血による症状は脱水を補うことにより改善することがほとんどですが、

重度の多血を起こす特殊な病気もあり、この場合は赤血球の異常な上昇により血液がうまく流れなくなることもあり命に関わることもあります(過粘稠度症候群)。

 

《赤血球の血液検査項目》

血液検査をすることで赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット(PCV)、MCV、MCHC、などの数値を測定します。

赤血球数(RBC):血液に含まれる赤血球の数です

ヘモグロビン(HGB):赤血球に含まれるヘモグロビンの量を示します

ヘマトクリット(HCT、PCV):血液中の赤血球の割合(濃さ)を評価します

以上3項目に関しては、基準値と比較して低下していれば貧血と判断でき、高ければ多血と判断できます。

MCV:赤血球の大きさを表します

MCHC:赤血球の色素の量を表します

この2項目については、貧血などの問題があったときに病気の原因を知る手がかりになります。

 

《赤血球に異常があったら?》

もし貧血や多血などの問題があったときは、その原因を追求し対処することが大切です。

時には命に関わったり、根治が難しく生涯治療の必要な病気も存在します。

そのため数値だけを知っていただくだけではなく、

血液検査で出る項目や数値の異常をご理解いただき、

数値の異常の何が問題となり、どんな病気が疑われどんな治療や検査が必要なのかを飼い主さま理解の上で検討できれば幸いです。

 

院長 若山